日本ではすっかり韓国ドラマを好んでみる人々が定着しましたね。
いまでもBSでは週に何本も韓国ドラマをしています。
勿論わたしも、「韓国語の勉強」などと強弁しながら?毎週楽しく韓国ドラマを見ています。
それにしても、本当一昔前とは隔世の感がありますね・・・。
昔は普段通名(つまり日本名ってこと)で生活している自分が、在日コリアンであることを人に打ち明けづらかったですが、いまは打ち明けやすいし、私が韓国人って知ったら、かえって「韓国語教えて」とか言われるぐらいです。
まあ、最近韓国語を勉強し始めた私が、どうして韓国語なんか教えられるでしょうか?状態ですけど。
はっきりいって私の韓国語能力など現在のところ、韓流にはまってしょちゅう韓国旅行しているおば様たちに比べたら、ひよっこみたいなもんです。
実際、民団の韓国語教室に通っていたときも、在日の若い人なんて私以外は誰もいなくて、他は日本人のおばさまたちばかりです。しかも上手い!
こんなときは、さすがに、ネイティブ韓国人である母が、私に小さいときから韓国語を教えてくれなかったことを少しばかり恨めしく思います。
さてさて、ドラマの話に戻ります。
最近は、「チュモン」や「海神」といった時代物から、「復活」や「ファンタスティックカップル」などシリアスなものからコメディーものまで楽しんでみてますが、今のところ、いままで見たドラマの中で、一番のお気に入りは「私の名前はキムサムスン」です。
このドラマ、日本で普通に放送されているものは、残念ながらカットされているものが多く、このドラマの良さがカットによって半減されていて、実に惜しいドラマです。
このドラマを見るなら、絶対に、ノーカット版に限ります。
ストーリー自体は、パティシエで、小太りのあまりもてない主人公キム・サムスンが、金持ちでハンサムだけど、実は暗い過去を持っている年下の社長の下で働くことになり、ふたりはお互い段々惹かれて行くという、まあ典型的なシンデレラストーリーのようなドラマです。
ストーリーだけ見ていると何が良い?って感じかもしれませんが、このドラマのそこかしこに散りばめられている登場人物たちの台詞が、実に心に来るものがあります。
基本的に明るくてタフなサムスンも、やはり恋愛で落ち込むこともあって、そんなときに彼女がつぶやく台詞たちが、実に意味が深くて、共感させられる。
ラストでも、結局二人は「めでたくゴールイン!」と単純にならず終るのがまた良いのです。
そしてラストに流れるサムスンの台詞。
アルフレッド・D'スーザという詩人の詩を引用しながら、
「踊りなさい 誰も見ていないように
愛しなさい 傷ついた事がないように
歌いなさい 誰も聴いていないように
働きなさい 金が必要でないように
生きなさい 今日が最後の日のように」
この台詞に続いて発せられるサムスンの台詞。
「今、私がすべき事は分かっている。
一生懸命ケーキを焼いて、
一生懸命愛すること
今日が最後の日のように、一度も傷ついたことが無いかのように。
私、キム・サムスンを愛すること」
このドラマ、まさに最後で、ただの「恋愛ドラマ」の枠を超えて、サムスンと同じ世代ぐらいの女性達に、生きる勇気を与えてくれる、そんなドラマへと昇華してました。
現にサムスン人気はいまだ衰えることを知らず、このドラマが日本のドラマも含めて、一番今まで感動した、何回も見ている、と言う人がやたら多いドラマです。
私自身、人生にくじけそうになったりする時も、このドラマの最後の台詞のように、今を一生懸命生きることを放棄してはいけないと思います。
そして、自分自身をまずは自分が好きにならなければ、一体誰が好きになってくれるのかと思うようにしています。